ファットスキーのインプレを読んでいて、ちょっと面白いな、と思ったことがありました。
今年の注目のファットスキーに、フォルクルのサヌーク(SANOUK)とラクロアのLX POWDERがありますが、ユーザーの評価はどちらも非常に高いのだけど、板の方向性は全く違う、ということです。
- サヌーク
極太スキーにはサイドカーブはあまり必要ありません。こんなに長くてストレートなスキーが曲がるのか?っていう懸念もありましたがそんなことは全くありません。ロングもショートも何でもこいです。サイドカーブが全然必要ないとは断言できませんが少なくとも私には普通のカービングスキーを単に太くしてみました!みたいなプロポーションのスキーは必要ありません。
- LX POWDER
これからの主流は長さは短く(〜180cm)、Rはきつく(〜20m)、センターは太く(100mm〜)、フレックスも柔らかすぎないという傾向にいくんじゃないでしょうか。短くはするけれど、全体の幅はよりワイドにして浮力は犠牲にしない。やっぱりRがあるほうがターンしやすいし、トータルのバランスを考えたらフレックスもまぁ標準範囲におさまる。
意見が真っ向から対立してます。
が、自分の乗ってる ZAG が LX POWDER のようなRがきつい板なので、LX POWDER の感触が想像できることと、id:teleskier さんとは一緒に滑っている仲なのでその嗜好がわかるので、どちらの言い分もわかるなあ、と感じました。
LX POWDER や ZAG のような、Rがきついくてより堅い板というのは、基本的には今のカービング板の延長で、つまり、傾けることでサイドカーブのぶんたわんでターンしていくタイプの板でしょう。
そして、深いターン弧を描きながらパウダーの上をカービングしてくような滑りが気持ちよいと思います。そして圧雪バーンでもそれなりに気持ちよく滑れる。
対してサヌークのように寸胴でやわらかい板は、サイドカーブでたわませるのではなくて、新雪でセンターが沈みながらたわむことでRがつくられるような板なのでは。
こちらは、スピード出しながら浅めのターン弧でビッグターンが気持ちいいのでは。当然ながら堅い雪はずらさないとターン出来ず。
だから、それぞれのスタイルが好きな人にはそっちがはまって、逆はあまりしっくりこないんじゃないかと。いや、どっちも楽しめるよ、という人もいるでしょうが。
自分の思うに、一般的になっていくのはRがきついタイプだと思います。
なんでかというと、今まで整地を滑ってた人が山に入って来るには、そのほうが滑りやすいし、山が駄目だったときにゲレンデでも遊べるから。メトロンとかがそのはしりになると思います。
で、サヌークとかはほんとに山しか行かないような人たち向けとして、2極化してくんじゃないでしょうかね。