モーグルとカバとパウダーの日記

モーグルやカバ(EXカービング)山スキー(BC)などがメインの日記でした。今は仕事のコンピュータ系のネタが主になっています。以前はスパム対策関連が多かったのですが最近はディープラーニング関連が多めです。

根本的スパム対策へのアイデア

dankogaiさんが404 Blog Not Found:有害サイトよりSPAM、刑事より民事のエントリーで、民事訴訟スパマーに金を請求することでスパムが割に合わないようにして、スパムを撲滅することを提案されてますが、自分は少し無理があると思いました。


まず、スパム送信の分業化がすすんでいるため、いったい誰がスパムを出している主体なのか、見極めが難しいということがあります。
世の中の大多数のスパムはボットが吐いていますが、これらボットの持ち主は一般ユーザです。彼らに民事訴訟を起こすのは難しいでしょう。
また、そのボットを操っているスパム配信業者がいますが、広告出稿主は違っている可能性があります。その場合、スパム配信業者に民事訴訟を起こすことが出来たとしても、大元のスパムで儲けた奴らに対して訴訟起こすことは出来ないのではないかと思います。
もっと単純なところでは、それらスパマーを追跡するためには、いろいろな通信ログを追わなければわからないわけで、民事訴訟では超えられない壁がある、というのが一番大きいのではないでしょうか。


スパムは出された時点で、もう負けなんだと思います。


…と、人のアイデアに無理無理とだけ言ってても発展性がないので、自分も根本解決する案を考えてみました。


まず、メールを出した分だけお金がかかるようにする、というアイデアは正しいと思います。
でも、その出てしまった分を後から請求する、という手法に無理があるのだと思いました。


そこで、メールを1通送信するのに例えば0.1円とか掛かるようにし、かつその場で送信数の制限が掛けられる仕組みを考えます。
これは、現在のメールの仕組み、SMTPそのままでは不可能なので、SMTPに完全な送信元認証と課金システムを追加した別個のサービスを立ち上げる必要があります。


ここで、メッセージポイントというインターネット上で使える地域貨幣のようなものを考えます。
1メッセージポイントを使うと、メールを1通送ることが出来ます。
メールを1通受け取ると、1メッセージポイントもらえます。


ユーザは接続プロバイダと契約する際、初期費用としてメッセージポイントを1000通とか購入させられ、ユーザID毎にチャージされます。
ホスティングサーバなどでも同様に、ホスティング会社からメッセージポイントを購入します。
接続プロバイダやホスティング会社は、自社ユーザ向けにメッセージポイントサーバを稼働させており、メールを送信する際にはそのメッセージポイントサーバでの認証を経なければメールは出せないようになっています。
具体的には、メールを受け取る側のサーバは、SPFのようにメッセージポイントサーバを教えてもらい、そこに問い合わせてちゃんとチャージが払われているか確認してから受け取るようにします。
メッセージポイントサーバは現在のSIPサーバみたいな位置づけで、通信大手だけが運営するようになるイメージかもしれません。


メールを1通出すたびにメッセージポイントを消費していき、チャージが切れた時点でメールは送信できなくなります。
ボットを使い、他人のアカウントでメールを出すことは可能でしょうが、チャージされている量はそれほど無いでしょうから、すぐに弾切れになります。
セキュリティ対策が甘かったユーザは、そのせいでチャージしなければメールを送信できなくなりますから、セキュリティ対策をしっかり意識する必要が出てきます。


このような仕組みで、メールを多数送る側にはそれだけのコストが掛かるようになり、普通にメールをやり取りするユーザは、プラスマイナスゼロ、メールマガジンなどを多数受けているユーザは、逆にメッセージポイントがたまっていく感じとなるでしょう。
メールマガジンも、読んでるのか読んでないのかわからないようなユーザは増えないほうがいいから、ちゃんとオプトインされるようになると思われます。
メーリングリストに対しては、ユーザがメッセージポイントサーバに対してホワイトリスト指定を掛けられるようにし、このアドレスとのやり取りはメッセージポイントはいらない、という指定がなされたら登録される、という風にすることで回避できると思います。あ、メールマガジンもこれでいいのかな?


ここでメールポイントではなく、メッセージポイントとしている理由は、これをコメントやトラックバックメッセンジャー等にも利用できるからです。
つまり、全てのメッセージ送信には、このメッセージポイントが必要な形とします。
現在、多くのコメントやトラックバックはてなスターなどをもらっている人達は、それだけ多くのメッセージポイントも受け取ることになります。
これで、アフィリエイトとは違った形での「メッセージポイント経済圏が」作られることになると思います。
そこに新しいタイプのスパムが入り込める余地があるのかも…?とちょっと不安がよぎりますが。


どんなもんすかね?


(追記)

id:pantingclimber さんのブクマコメから、Goodmailというベンチャーが提案してるスパム対策手法がこれに近いらしい。

Japan.internet.com Webマーケティング - Yahoo! と Microsoft、メール大量送信への課金を検討

大量にメールを送信する側が、メール1通ごとに「切手代」を支払って受信者側の ISP にメールを届けてもらうというもの。送信者が支払った料金は、受信者側の ISP が受け取る。

この受信者側ISPが受け取る代わりに、本当の受信者が受け取ることと、切手代を先に「チャージ」しておくあたりが違うかな?


(追記)

電子メールを有料化してみてはどうか:迷惑(スパム)メール対策 | 専門家や海外ジャーナリストのブログネットワーク【MediaSabor メディアサボール 】

こちらのエントリーでも、電子メール1通あたりに対して、受け取る側が少額を受け取れるようにすることでスパムを減らす、というアイデアを書かれている。
ただ、受信者が額を任意に決められる(上限が例えば100円と決められていたとしても)というのがちょっと怖いかな。
あとどうやって徴収するかという部分については考察がなされていないので、このままだと現実性が薄いと思う。(たぶん、料金徴収時にという想定だと思うが、この想定だとメールの送信料金については後から請求されるというシステムになると思うので、月の接続料金だけ支払って逃げる、というスパマーを防ぐことが出来ないので)